これは今回修復された仏壇の台座の部分です。
一度全ての部材を分解して洗いをかけ前回(20年前)に補修された折使われていた合成接着剤、合成塗料等を可能な限り剥離させ、和紙と漆にて補強し直しています。

扉の修復の様子です。
これ以前の工程は吉元氏が以前のアトリエで作業されていた為、残念ながら記録が残っていません。
これは金箔を貼る前の下地の調整(磨き)工程です。

金箔を貼る部分に「箔圧し用専用オイル」を塗ります。
匂ってみましたが、カシューの一種のようです。

金箔を1枚取り出して 必要な大きさにカットします。
息を殺しての慎重な作業です。

カットされた箔を静電気(たぶん?)を利用して専用の紙「あかうつし紙」に写し取り先程のオイルの上に小筆で一撫でします。
気を抜くと皺がでるため、張り詰めた空気が流れます。

これだけ貼るのに時間にして約1時間かかります。

扉の 鏡 の部分です。これは大きく貼れるので比較的捗ります。

内扉です。組子の桟に全て貼り終え金具にて補強しています。

先程の箔を貼った扉に漆の仕上げ塗りをしたところです。
吉元氏自作の 室(ムロ) で硬化させます。
本漆を納める(硬化させる)には 室温20度 湿度80%が絶対条件となるためこの様な室が必要になってくるわけです。

塗り終わったら磨いてまた塗ってを繰り返します。どこかで自身納得しないと終わりのない工程です。

金具も磨きます。これ等の金具は120年前に訂そうされた物で
1部鉄の物もありますが、殆どが真鍮製です。
1部兆番等の欠損品については氏自ら復元製作しました。

彫刻欄間の修復が完了しました。
ワレ、欠けは埋接ぎとし、折れ、狂いは「金接ぎ」で修復しました。

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